日本心臓血管外科学会雑誌
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広範囲の弁輪部石灰化を伴った僧帽弁逆流に対しCUSA®;およびMIRATM弁を用いて弁置換を行った1例
高木 靖外山 真弘下村 毅
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2005 年 34 巻 4 号 p. 279-281

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抄録

広範囲の僧帽弁輪に石灰化を伴った僧帽弁逆流に対し,CUSA®とMIRATM弁を用いて弁置換を行った1例を経験した.症例は75歳の女性で,10年前より心房細動を指摘されていたが,心不全症状が出現したため精査したところ,高度の僧帽弁閉鎖不全症であることが判明した.また,術前検査では高度の僧帽弁逆流に加えて後尖側の弁輪部に全周の約2/5にわたって左室心筋内に及ぶ高度の石灰化があることが判明した.手術にて,比較的広範囲の後尖の腱索断裂を認め,さらに高度の弁輪部石灰化があったため弁形成は困難と考え,弁切除後にCUSA®で弁輪部の石灰化を破砕した.残った比較的強度のある繊維組織を弁輪として用い,縫着輪が豊かで柔らかいMIRATM弁を周囲組織へのストレスの軽減と適合性を考えsupra-annular positionに置いて弁置換を行った.術後,左室破裂や人工弁周囲逆流もなく,経過良好にて退院した.

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