症例は,2ヵ月,女児.哺乳力低下および多呼吸を認め日齢10,当院搬送となる.心エコーでは,先天性大動脈弁狭窄症(congenital AS),心室中隔欠損症(VSD),心房中隔欠損症(ASD)を認めた.大動脈弁は二尖弁で大動脈弁形成不全を疑わせたが明らかな嚢腫像は認めなかった.日齢53にballoon aortic valvotomy (BAV)を施行し,大動脈造影にて大動脈縮窄症(CoA),動脈管開存症(PDA)を認めた.BAVは,ballooning良好であったが,BAV前後で圧較差に変化は認められなかった.Congenital AS,CoA complexの診断にて日齢70に手術施行となった.人工心肺を確立したのち,上行大動脈を横切開した.大動脈弁は,二尖弁であり前尖の中央に血液嚢腫を認め,切除した.術後心エコーで大動脈弁狭窄症の圧較差は22.5mmHgであった.VSDおよびCoAは良好に修復されていた.患者は,術後25日軽快退院現在外来にて経過観察中である.