2006 年 35 巻 3 号 p. 144-146
症例は57歳,女性.1974年,他病院で大動脈弁狭窄症に対しStarr-Edwards弁(SE弁)(model 2320)による大動脈弁置換術を施行された.1989年,当院で僧帽弁狭窄症に対し経皮経管僧帽弁交連切開術(PTMC)を施行した.2003年12月,NYHA III度の心不全で入院した.心エコーで僧帽弁狭窄,置換大動脈弁狭窄の進行を認めた.2004年1月,僧帽弁はCarbo Medics,大動脈弁はBICARBONを用いた2弁置換術と三尖弁輪縫縮術を施行した.SE弁はケージ内側の被覆布の破損(cloth wear)とパンヌス増生を認めた.患者は退院し,元気に社会復帰している.