日本心臓血管外科学会雑誌
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リンパ管造影を併用した3D-CT検査が有用であった原発性乳糜心膜症の1手術例
加藤 紀之櫻井 一阿部 知伸長谷川 広樹澤木 完成櫻井 寛久杉浦 純也
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2006 年 35 巻 4 号 p. 246-250

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抄録

乳糜心膜症は,心嚢内に乳糜液が貯留する希な疾患である.今回,リンパ管造影を併用した3D-CT検査が外科的治療を行ううえで非常に有用であった原発性乳糜心膜症の1例を経験した.症例は36歳,女性.健康診断での胸部X線検査で心胸郭比の拡大を指摘され当院を受診した.心嚢穿刺で乳白色の心嚢液を認め,乳糜心膜症と診断した.脂肪制限食,ステロイド剤の内服を行ったが改善せず手術の方針となった.手術は胸腔鏡を併用し小開胸で胸管結紮術,心膜開窓術を行った.リーンパ管造影を併用した3D-CT検査は,胸管の走行,胸管と心嚢との交通部位を想定でき,手術に必要な十分な情報が得られ有用であった.

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