日本心臓血管外科学会雑誌
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虚血性心疾患・閉塞性動脈硬化症に合併した乳頭状線維弾性腫に対して冠動脈バイパス術および腫瘤摘出術を施行した1例
島本 健武内 俊史中島 博之御厨 彰義小田 基之
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2007 年 36 巻 1 号 p. 12-14

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抄録

心臓原発の乳頭状線維弾性腫は希な心臓良性腫瘍である.閉塞性動脈硬化症で外来通院中に心エコー検査で偶然発見された乳頭状線維弾性腫の1手術治験例を経験した.症例は67歳,男性で,両下肢の閉塞性動脈硬化症の治療のため外来通院中に約1年前の心エコー検査では認められなかった径8×9mm大の腫瘤を僧帽弁尖に認めた.腫瘤のサイズが大きく脳や冠動脈への塞栓症の危険のため,腫瘤摘出術の適応があると考えた.冠動脈造影で3枝病変を認め,冠動脈バイパス術と腫瘤摘出術を施行した.術後1年の心エコー検査で腫瘍の再発はない.希な心内膜原発の乳頭状線維弾性腫に対する手術症例を経験したことから,若干の文献的考察を加えて報告する.

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