日本心臓血管外科学会雑誌
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両側冠動脈肺動脈瘻に合併した多発性嚢状冠動脈瘤の1例
笹橋 望武内 俊史福岡 正平
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2007 年 36 巻 3 号 p. 137-140

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抄録

症例は60歳,男性.心雑音を契機に精査となった.胸部CTならびに心臓カテーテル検査により両側冠動脈より肺動脈に還流する冠動脈肺動脈瘻と多発性の嚢状冠動脈瘤が認められた.同時に右冠動脈起始部近傍より起始する1本の異常冠動脈ならびにII度の大動脈弁閉鎖不全(AR)も認められた.瘤破裂の危険性があると判断し手術施行,計3個の冠動脈瘤を認め,その最大のものは径4cmの巨大冠動脈瘤であった.瘤切除ならびに異常冠動脈の結紮術,大動脈弁置換術(AVR)を行った.肺動脈を切開したが明らかな瘻孔の開口部は認められなかった.術後経過は良好であった.冠動脈瘤の報告は散見されるが多発することはまれである.本症例に対し考察を加えて報告する.

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