2007 年 36 巻 4 号 p. 218-220
症例は68歳,男性.胸部レントゲン写真上,異常陰影を指摘され,精査目的で紹介された.胸部造影CT検査を行ったところ,最大径4cmの胸腔内左鎖骨下動脈瘤が認められ,手術適応と判断された.手術は,分離肺換気下,左後側方開胸(第4肋間)により行われた.左大腿動静脈より人工心肺を確立し,25℃で循環停止(選択的脳灌流)とした.1分枝付き人工血管(Hemashield 26mm)を用いて遠位弓部置換を行い,8mmの人工血管を間置して左鎖骨下動脈を再建した.術後経過は良好で,同日夜に抜管し,翌日にICUを退室した.術後7日目に行った胸部造影CT検査で良好な結果を確認し,術後13日目に独歩退院された.