日本心臓血管外科学会雑誌
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外傷性胸部大動脈破裂に対してステントグラフト内挿術を施行し救命しえた1例
緑川 博文菅野 恵石川 和徳森島 重弘小野 隆志
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2007 年 36 巻 4 号 p. 233-236

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抄録

外傷性胸部大動脈破裂に対しステントグラフト内挿術を施行し救命しえた症例を経験したので報告する.症例は54歳,男性.交通外傷による右鎖骨骨折を伴う外傷性胸部大動脈破裂のため救急搬送となった.大動脈狭部付近に仮性瘤およびその周囲に血腫を認めた.解剖学的にステントグラフト内挿術が可能と判断した.全身麻酔下でステントグラフトを作製し,留置に成功した.術後造影CTで破裂部位の修復および血腫の消失を認め,術後13日に退院となった.外傷性胸部大動脈破裂に対するステントグラフト内挿術は,早急にかつ低侵襲に行うことが可能であり,有効な治療法であると考えられた.

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