日本心臓血管外科学会雑誌
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発生学的に興味ある大動脈弓分枝をしたTOF,PA,PA slingおよび第5大動脈弓遺残に伴うvascular ringの1例
岩瀬 仁一前田 正信鵜飼 知彦佐々木 滋
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2007 年 36 巻 1 号 p. 33-36

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抄録

症例は1ヵ月,男児.肺動脈閉鎖をともなったファロー四徴症,総肺静脈還流異常,右側大動脈弓,動脈管開存,pulmonary artery sling(PA sling)の診断で手術を行った.胸骨正中切開により体外循環下,左肺動脈を右肺動脈より離断し気管前面で肺動脈幹に吻合しPA slingを解除した.ついで左総頸動脈より肺動脈幹までのcentral shunt(3.5mm PTFE graft)を吻合した.術中所見より動脈管と診断した血管は正常動脈壁の構造をみとめ第5大動脈弓遺残と診断した.このため術前の3D-CT所見と発生学的な検討から左鎖骨下動脈が左第4大動脈弓より発生するきわめて希な大動脈弓分枝と考えられた.Arch anomalyの診断では形態の正確な把握と発生学的な見地からの検討が必要である.

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