日本心臓血管外科学会雑誌
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術前にDICを合併した三尖弁感染性心内膜炎の1手術例
二神 大介吉田 英生海老島 宏典徳永 宜之柚木 継二久持 邦和大庭 治
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2007 年 36 巻 2 号 p. 85-87

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抄録

右心系感染性心内膜炎の発生頻度は全感染性心内膜炎の5~10%と低く,左心系に比して抗生剤の反応は良好で,内科的に70%は治癒しうるとされている.そのため,外科的介入の適応や時期などに関してはまだまだ議論のあるところである.症例は26歳,女性.術前に播種性血管内凝固症候群(DIC)を合併した三尖弁感染性心内膜炎を発症した.既往歴として先天性心疾患や歯科治療の既往は認められなかった.心臓超音波検査で三尖弁前尖に巨大な疣贅を認め,中等度の三尖弁逆流を認めた.前尖の一部とともに疣贅を切除し,三尖弁形成術・弁輪縫縮術を施行した.抗生剤の点滴静注を4週間つづけ,術後経過良好であった.手術適応とその時期について若干の文献的考察とともに報告する.

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