要旨:今回、市販されている成人用ラインフィルター・バブルトラップの気泡捕捉実験を行う機会を得た。実験は牛血を用い、マクロバブルとマイクロバブルを人為的に作り出し対象検体へ送り込むものとした。評価検体前後には気泡検知器を設置し評価検体の気泡捕捉能を測定した。その際、気泡に対しての対策としてベントポートの開放が有効であるかの実験も行った。結果、ラインフィルター4種、バブルトラップ1種のいずれの評価検体もベントポートの開閉に関わらず40μm以上の気泡が検出された。静脈血リザーバより混入した気泡は人工肺を通過する際に粉砕され、それらの微小化した気泡を捕捉することは困難であると言える。人工肺・ラインフィルタに気泡を送り込まないためにもレベルセンサ・バブルトラップなどの安全装置の装着は必須と考える。