日本農村医学会雑誌
Online ISSN : 1349-7421
Print ISSN : 0468-2513
ISSN-L : 0468-2513
気管支肺胞洗浄液中のテロメラーゼ活性についての検討
新井 正安田 洋伊東 祐二早川 和良高屋 忠丈戸島 敏渋谷 智顕吉見 直己樫木 良友
著者情報
ジャーナル フリー

1997 年 46 巻 4 号 p. 679-682

詳細
抄録

テロメラーゼはヒト肺癌組織では80%以上で活性が認められ, 癌の存在診断の一助となることが報告された。そこで今回, 我々は臨床的に原発性肺癌を疑った症例の気管支肺胞洗浄液中のテロメラーゼ活性の測定を試みた。方法はpolymerase chain reaction (PCR) を利用した高感度のアッセイ系であるTRAP (terometric repeat amplification protoco1) assayで行なった。この結果, 原発性肺癌と病理診断のついた6例は全てテロメラーゼ活性が陽性であった。一方細胞診は6例中4例で陽性であり, 2例 (扁平上皮癌と腺癌それぞれ1例) は陰性であった。このことから, 気管支肺胞洗浄液中のテロメラーゼ活性を測定することは, 肺癌のスクリーニングに応用できる可能性があると考えられたが, 未だ現在症例数が少ないため, 今後症例を重ねて検討していかなければならないと考えられた。

著者関連情報
© (社)日本農村医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top