日本農村医学会雑誌
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農村医学への回帰
樫木 良友
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1999 年 47 巻 6 号 p. 796-804

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抄録

第47回日本農村医学会において, 私の農村医学の歩みとその医学的理念について述べた。
私の農村医学の事始めは, 1950年代後半の医学生時代に, 岐阜県の農村で行ったセッッルメント活動が原点となっている。
私の農村医学の事始めは, 1950年代後半の医学生時代に, 岐阜県の農村で行ったセッッルメント活動が原点となっている。
また, インターン時代には, 東京隅田川の水上生活者に対するセッツルメント活動を行った。
これらの活動を通じて,「医師は巷にでて, 生命一人問性とそれをとりまく環境を見い出し, 新たな医学一医術の道を開く」ことが, 医師の使命であることを学んだ。
その後, 地域医療の第一線に立ち, この理念に基づく実践的取組とその成果について述べた。
そして, いかに時代や社会情勢が変わろうとも, 農村医学の原点から学んだこの医学的理念は不変であること, そしてその理念の上に立って, 21世紀の美しき農村 (安全な食, 自然環境の保全維持, 都市と農村の共生) と, それを結合し創造する新しき農村医学 (農村コミュニティ・ヘルス作り) の将来展望について述べた。

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