日本農村医学会雑誌
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乳腺疾患におけるMRIの有用性
松野 俊一太田 明宏杉田 峰子尾関 裕一兼村 武浩末松 太山田 正田中 史朗野田 勉長尾 育子山本 悟渋谷 智顕樫木 良友
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キーワード: MRI, 時間信号強度曲線, PRE
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2001 年 50 巻 2 号 p. 125-129

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抄録

1999年1月から同年12月までに乳腺外来を受診し視触診, マンモグラフィ, 超音波検査等で強く悪性疾患を疑った61例に対して乳腺MRIを施行した。そのうち腫瘤性病変に対して組織学的診断の得られた58例 (良性疾患8例, 乳癌50例) を対象に, dynamicstudyによる腫瘤影の特徴, 時間信号強度曲線について良悪性疾患別に比較し, 造影MRI検査における造影パターンの解析の有用性を検討した。対象症例すべてが造影MRIで濃染した腫瘤を認め, 信号強度のピーク時間の平均値は良性疾患では約7分, 乳癌例では約2分であった。PRE (preripheral ring enhancement) は乳癌50例中40例 (80.0%) に認められたのに対して, 良性疾患では全例で認められなかった。乳腺疾患の画像診断は主にマンモグラフィ, 超音波検査が用いられてきたが, 乳腺腫瘤の治療方針を決定していく上で, dynamic MRIにおける造影パターンの解析が一助となると考えられる。

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