1986 年 36 巻 4 号 p. 281-287
我々は45名の患者でレーザー光線を星状神経節へ照射 (SGレーザー), または刺針 (SG刺針) を行なって, 心電図, R-R間隔, 深部温, 血圧を指標として, 自律神経系への影響を検討した。その結果, 心拍数の平均値は, SGレーザーは2回/分, SG刺針は3回/分減少した。R-RのCVは, SG刺針のみ1.1%増加した。刺激側の前腕深部温は, SG刺針では有意な上昇はなかったが, SGレーザーでは0.3~0.5℃上昇した。非刺激側ではSGレーザーのみ上昇傾向があった。収縮期圧は両群とも2~5mmHg上昇した。以上より, レーザー照射と刺針を比較すると, 深部体温の上昇はレーザーの方が, 心拍数の減少は刺針の方が強かった。