全日本鍼灸学会雑誌
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カプサイシン処理の時期による針鎮痛効果に対する影響の違い
河村 廣定二ノ宮 裕三船越 正也
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キーワード: 針通電, 針鎮痛
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1996 年 46 巻 1 号 p. 1-6

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抄録

針鎮痛効果をもたらす末梢求心神経機序を明らかにする目的で, 神経毒であるカプサイシン (cap) を2日齢ラットの皮下, 又は, 成獣期ラットの右前肢上腕部神経幹に処理 (cap 1回処理) し, cap によって障害される神経線維が, 針鎮痛をもたらす末梢求心神経線維に関与するか否かを調べた。痛覚の測定には Randal-Sellit 式痛覚測定器, 及び, ホットプレート法を用いた。2日齢処理では痛覚閾値が上昇し, 針鎮痛効果は認められなかった。成獣期の cap 1回処埋では, 非処理側の針通電による明らかな鎮痛効果を認めるのに対して, 処理側の針鎮痛効果は認められなかった。以上の結果から, 針鎮痛をもたらす未梢求心路に cap 感受性神経線維が関与することが示唆された。

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