全日本鍼灸学会雑誌
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異なる身体部位で検出された針鎮痛効果のカプサイシン局所処理による消失
河村 廣定二ノ宮 裕三船越 正也
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キーワード: 全身性針鎮痛, 開口反射
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1996 年 46 巻 2 号 p. 65-69

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抄録

針鎮痛をもたらす末梢求心路に capsaicin (cap) 感受性神経線維が関与するが, その鎮痛効果が身体のどの範囲に影響するのかを調べた。ラット右前肢上腕部に cap 1 回処理を加え, 処理側, 又は非処理側に針通電を加えた。両群による鎮痛効果の違いを顔面部 (間口反射誘発筋電図), 後肢 (ホットプレート=HP法), 及び尾 (テールフリック=TF法) で比較した。それら3部位の痛覚測定は共通して, 非処理側群で認められた針鎮痛効果は処理側群では認められなかった。以上の結果から, 全身性の鎮痛を生ずる針鎮痛効果の出現は cap 感受性神経線維を末梢求心路にしていることが示唆された。

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