全日本鍼灸学会雑誌
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鍼の臨床効果に関する文献研究 (第1報)
統合的分析方法の導入
小林 聰西條 一止
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1997 年 47 巻 2 号 p. 63-74

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抄録

鍼の臨床効果に関する文献研究の一つの方法として、臨床研究の質的評価及び一般的有効率を定義することにより、症例集積研究にも応用可能な統合的分析方法を導入し、偏頭痛の鍼治療報告についてその応用を試みた。対象となった16編の英文報告の質的評価点数は20点満点の3-17点と幅広く分布し、その内訳として無作為化臨床試験4編は13、16、16、17点、前向き臨床比較研究2編は10、17点、症例研究10編はいつれも12点以下に分布した。また、臨床報告に共通に定義した単純有効率の平均は77.6%、その95%信頼区間は68.2%~86.0%であり、4編の無作為化臨床試験の結果と合わせて偏頭痛に対する鍼治療の有効性が強く示唆された。

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