中山間地域の農業は担い手不足が顕在化しており, このままの状態では耕作放棄が進み, 先祖代々にわたり受け継がれてきた農地は荒れ果て将来に禍根を残すことになる。そこで, 中山間地域農業の問題点を全国の中山間市町村へのアンケート調査から明らかにするとともに, 今後の展開方向を土地基盤整備的な視点を中心に探った。
農地の耕作放棄を防止し, さらに農業の活性化を図るためには, 担い手対策が重要であるが, その前提は土地基盤が整備されていることである。しかし, 現存するすべての農地を同一の水準で整備するのではなく, 農地の利用計画を明確にして, 区分に応じて必要な対策を取ることが重要である。