Journal of Pesticide Science
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雌ウサギにおけるプロシミドンの代謝
永堀 博久松井 正義冨ヶ原 祥隆松永 治之金子 秀雄中塚 巌
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1997 年 22 巻 4 号 p. 293-298

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抄録

プロシミドンの雌ウサギにおける体内動態を調べる目的で, 14C-プロシミドンを125mg/kgの投与量で雌ウサギに単回経口投与し, 尿, 糞および血液を採取した. 投与した14Cは体内より速やかに排泄され, 投与3日後の排泄率は95.3% (尿: 72.1%, 糞: 23.2%) であった. 血中の14Cは1~6時間維持されたのち速やかに消失した. 雌ウサギでは, 最も主要な代謝物は3種のプロシミドン水酸化物のグルクロン酸抱合体であり, ラットやマウスとは異なっていた. 主要な代謝反応としては 1) メチル基のヒドロキシメチル基を経由したカルボン酸への酸化, 2) イミド結合の開裂, および3) グルクロン酸によるプロシミドン水酸化物に対する抱合化の3種が推測された. さらにウサギとラットのグルクロン酸抱合活性に関する種間差を検討するため, 主要な代謝物であるプロシミドン水酸化物1種に対するグルクロン酸抱合活性をそれぞれの動物の肝ミクロソームを用いて in vitro で調べた. 雌ウサギの場合のみグルクロン酸抱合体が生成し, 雌ラットでは生成しなかったことから, 抱合活性の差がプロシミドンの体内動態に関するラットとウサギの種間差を派生させたものと思われた.

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