1999 年 1999 巻 623 号 p. 69-83
大規模地下空洞の掘削に当たっては, 調査・試験, 解析・設計, 施工・計測の各種要素技術が相互に関連付けられ, 総合技術としての機能を発揮することが不可欠であるが, 従来それぞれの要素技術のアンバランスから実際には必ずしも期待通りの機能を果たさず, 個別の問題に直面する都度, 技術的な解決を図ってきたのが実態である.
本論文は過去の地下発電所の掘削経験を基に, 各種要素技術の開発経緯について言及すると伴に, 最近の葛野川地下発電所における調査から掘削完了までを含めた各種要素技術の高度化並びにこれらを総合技術として体系化した「情報化設計施工技術」の適用について報告するものである.