本研究の目的は, 入学試験成績より将来大学院へ進学するか, あるいは留年するかを予測し, 学生の指導方針を作成するための手掛かりを得ることである. 昭和56~59年度の香川医科大学入学試験成績を因子分析し, 因子評点を入学者, 大学院進学者, 留年者について比較した. 大学院進学者は, 因子合計が大きく面接の因子が大きかった. 一方, 留年者は因子合計が小さく, とくに基礎学力, 理科系学力, 小論文の因子が小さかった. 以上より, 因子合計の大きい学生には, 大学院進学予定者とみなした特別メニューを用意する必要がある. また, 因子合計の小さい学生には, きめ細かい学習指導の下にまずは進級・卒業させる必要がある, などが判明した.