医学教育
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総合診療方式における外科研修の一環としての結紮手技習得法
藤川 貴久西村 理八田 和大伊賀 幹二今中 孝信
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1997 年 28 巻 4 号 p. 225-230

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抄録

総合診療方式における外科研修の一環として結紮手技習得法について検討した.対象は1996年度の本院1年次ジュニアレジデント (臨床研修医) 11名で, 研修開始時にビデオ撮影を利用した手技の説明の後, 毎週の外科カンファレンスの前後を利用した反復練習, 受け持ち症例での実践を4か月間行った. 評価には, 所要時間, 結び方, 確実性からなる独自の結紮スコア (0~18点) を用いた. 研修開始時と4か月後では結紮スコア値は9.8±2.7から12.0±2.4へと有意に上昇しており (p<0.05), とくに所要時間の短縮傾向が強かった.また, 2年次ジュニアレジデント10名による同様のスコア値に比べ, 結び方や確実性で1年次レジデントの方が高い傾向を示した.症例での実践に加え, ビデオによる技術習得の補助, 定期的な反復練習により, 確実かつ安定した結紮技術を比較的短期間で習得しうることが示された.

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