自治医科大学では1994年度より, 2年生に対して診断学基礎実習を開始した.目的は基礎的なインタビューと身体所見を学ぶこととし, 診断の過程と原理を重視した.実習の計画と準備に際して教員は討論を重ね, 目標と学習内容を設定した.小グループでの指導をできるだけ均一にするために, 教員は詳細な指導マニュアルを使った.基礎的身体所見の実習は全て小グループで行われ, 触診打診の実習では自作のモデルを作成した.モデルの利用により, 学生は積極的に実習に参加し, 触診・打診の理論・所見のとり方・所見を理解する助けになり, 教員は指導に有用と感じた.