1998 年 29 巻 3 号 p. 149-153
文部省の21世紀医学医療懇談会は医学部の年限を他学部卒業後の4年制にすることと臨床教授制度を導入することを提言している. 世界92か国の卒前医学教育の履修年限は3~7年, なかでも6年が45か国でもっとも多い. 5~7年は81か国である. そうした中でオーストラリアはこれからの医学教育が自主学習能力を必要とするなどの理由で他学部卒後入学で4年制に移行しつつある. イギリスのGMCの勧告「明日の医師」は英国内各大学にカリキュラムの変更をうながしている. それは制度内改革といえよう. その好例としてDundee大学の場合が紹介された. 最後に制度の変更などに直接影響力を持つ医学教育管理機関が英米では政府と密接な連係を持ちながらもそれから独立した存在であることについて触れた.