医学教育
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X形式問題導入による成績評価の検討
池袋 賢一森田 倫子三井 利夫草刈 潤坂内 四郎久保 武士田中 直見
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1998 年 29 巻 4 号 p. 209-213

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抄録

平成9年の医師国試から五肢複択形式が採用されたが, 筑波大学では平成8年からすでにX形式の問題を導入して試験を行っていたので, 従来のK形式と比べて正解率, 識別指数がどのように変化するか検討した. その結果, 正解率はK形式が平均68.2%, X形式が平均53.1%で, 識別指数はK形式が平均+0.227, X形式が平均+0.257であり, X形式は問題形式としては難易度が高く, 識別指数も良好な結果であった. 一方, 正解率から求めた平均推定知識量はK形式で2.04個, X形式で2.32個であり, 問題の本質的難易度はX形式で簡易な方向に設定されており, 出題者がX形式での正解率の低下を予想して難易度を調整したと考えられた.

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