平成9年の医師国試から五肢複択形式が採用されたが, 筑波大学では平成8年からすでにX形式の問題を導入して試験を行っていたので, 従来のK形式と比べて正解率, 識別指数がどのように変化するか検討した. その結果, 正解率はK形式が平均68.2%, X形式が平均53.1%で, 識別指数はK形式が平均+0.227, X形式が平均+0.257であり, X形式は問題形式としては難易度が高く, 識別指数も良好な結果であった. 一方, 正解率から求めた平均推定知識量はK形式で2.04個, X形式で2.32個であり, 問題の本質的難易度はX形式で簡易な方向に設定されており, 出題者がX形式での正解率の低下を予想して難易度を調整したと考えられた.