医学教育
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能動的な学習態度の形成を目的とした医学概論の試み
峠田 和史
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1998 年 29 巻 6 号 p. 385-391

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抄録

滋賀医科大学では, 1992年より, 能動的な学習態度の形成を教育目標として第1学年を対象に医学概論を行ってきた.毎年の授業について, 教育効果の観点から, 授業実施時期や期間や授業内容および形態を改善してきた結果, 1年生への通年の科目となり, 講義形式の授業が減少し, 討論会, ロールプレイなど参加型の授業が増えた.とくに, 医療機関や福祉関係施設での体験実習を中心にした授業は学生の学習態度を変える大きな契機となった.学生は, 授業への出席が義務づけられていないにもかかわらず, 毎回, 80%以上が出席し, 積極的に討論に参加するようになった.学生の学習態度や学生による授業評価の結果から, 現在の医学概論の授業が能動的な学習態度の形成に効果を上げていると判断できた.

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