医学教育
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卒前医学教育におけるコミュニケーション技法の体験学習が卒後の臨床活動に及ぼす影響
石崎 達郎今中 雄一岡本 章寛奥山 尚釜野 安昭木内 貴弘後藤 敏谷川 武中山 健夫本荘 哲水嶋 春朔村上 典子
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1998 年 29 巻 6 号 p. 399-406

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抄録

卒前医学教育におけるコミュニケーション技法の体験学習が, 卒後の臨床活動にもたらした効果を評価するために, 体験学習受講者を対象に自記式アンケート調査を行った. 追跡可能者90名のうち57.8%(52名) から有効回答を得た. その結果, 回答者の6割は積極的傾聴法やロールプレイなどの体験交流が, 患者や家族とのコミュニケーションをとる際に有用であったと回答した. また, 4割の者が, 全人的医療やチーム医療を目的とした事例検討は医療従事者とのコミュニケーションに有用であったと答えていた.以上のことから, 本研究における回答者は全人的医療や行動科学に対してmotivationの高い集団であるという制限において, 本研究の結果は, 卒前教育における体験学習式のコミュニケーション技法教育が, 卒後の臨床活動において有用であったことを示している.

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