1998 年 29 巻 1 号 p. 39-43
臨床実習の一環として学生が記載したプロブレムリストについて内容を分析, 評価した. プロブレムリストを分析すると約90%が医学的問題, 4%が心理的問題, 6%が社会的問題であった.医学的問題については検査データに関する項目がもっとも多く, ついで診察所見, 症状, 合併症の順であった. 評価の高いプロブレムリストは精神的, 社会的問題に踏み込む割合が高く, 評価のよくないリストではこの分野の記載はなかった. プロブレムリスト以外のPOSでの能力との関連をみると, プロブレムリストの高い評価の学生はこれらの能力も高かった. 臨床実習にてプロブレムリストを学生に記載させることは患者志向に実習を運営する上できわめて有用であった.