医学教育
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高校英語教育の問題点の分析と医学部入学初年次カリキュラムでの問題点の補正
小泉 きみ子佐藤 暢雄小泉 昭夫
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1998 年 29 巻 1 号 p. 45-50

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抄録

医学部学生の基礎的英語力のなさが医学英語の習得を困難にしていると指摘されている.しかし英語力の低さは, 日本の大学生に普遍的な現象であり, 高校における英語教育の問題点を反映したものである.したがって, この問題点を入学早期に補正することは, その後の円滑な医学英語教育に必須となる.本研究においては, 医学部卒業時に読みこなせることを目標とする英文およびネイティブによるそのほかのさまざまな英文と, 高校教科書の英文とを文構造の面から比較しその差異を解析した・その結果, 現在高校生が使用している英語の教科書には, 従属節率が異常に低いという文構造上の問題点が認められた.したがって, 入学初年次において, 自然な英文の文構造を習得させ, その認知力を高めることが, その後の高度な英語教育を効率よく行うために必要となる.

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