医学教育
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医学生の態度教育のために実施している患者付き添い実習に関する検討
上野 隆登吉田 一郎堀田 まり子安陪 等思鶴田 真香野 修介淡河 喜雄林 明宏江口 春彦宮島 一郎渡邊 誠之奥田 誠也佐田 通夫
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2001 年 32 巻 2 号 p. 117-122

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抄録

卒前教育の一環として態度教育のために医学部4年生98名を対象に患者付き添い実習を実施し, 終了後に学生と患者へのアンケート調査を行い, この実習の有用性について検討した. 2週間で学生全員が実習できた.患者からのアンケートの回収率は70%であった. 実習生の身だしなみ, 挨拶, 言葉づかいは87%以上, また, 患者の安心度, プライバシー, コミュニケーションへの配慮は86%以上が良い印象であった. 患者の77%がこの実習に賛成で反対はいなかった. 学生へのアンケートの回収率は99%であった. その79%は実習に賛成であった. 反対は14%で, その理由の多くは学生自身が既に患者として受診体験があるためであった. 以上の結果から, 患者付き添い実習は患者・学生双方にとって有益な試みであり, 学生にとって患者側から見た医療を考える動機付けになることが示唆された.

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