医学教育
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第6学年に対するクリニカル・クラークシップのアンケート調査
福田 寛二木原 幹洋竹村 司芦田 隆司平野 豊北野 元一藤田 悦生綿谷 正弘橋本 直樹上硲 俊法松尾 理
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2001 年 32 巻 4 号 p. 247-256

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抄録

近畿大学医学部ではカリキュラム改革を平成10年度から実施し, 平成11年よりクリニカル・クラークシップを行っている.6学年は8週間を主に希望の科を中心にこのシステムで臨床実習を行い, これまでに2学年が終了した.今回クリニカル・クラークシップ終了後に実施したアンケート調査を分析し, この教育システムの評価を行った.この学生アンケートとは別に指導医 (平成12年度には指導医と看護関係者) を対象に, クリニカル・クラークシップについてのアンケート調査を行ったので, 併せて分析した.指導医の回答から, 学生の「医行為への参加」を積極的に行わせており, このシステムが円滑に運営されていることがわかった.看護婦からの回答として, クリニカル・クラークシップ導入によって患者やコメディカルとのトラブルが増加するとした危惧はなかった.学生の回答から, 学生が自分の仕事に魅力と誇りを感じ, 医師となる動機付けが高まったとする回答が多く寄せられた.このように6学年のクリニカル・クラークシップは平成12年で2年目を終えたが, その良い点のほかにいくつかの問題点が挙げられる.今後それらを解決する方向で, 平成13年度のクリニカル・クラークシップを再検討する予定である.

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