医学教育
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Evidence-based Medicine (EBM) 教育に関する全国大学医学部・医科大学アンケート調査第2報
EBM教育への障害因子とその克服に必要な資源に関する質的検討
大野 毎子松村 真司高橋 都福原 俊一加我 君孝
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キーワード: EBM, 卒前教育, カリキュラム
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2001 年 32 巻 6 号 p. 421-426

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抄録

平成12年現在の全国の大学医学部および医科大学における卒前教育において, 1. EBM教育の際の障害の有無とその内容, 2. その障害を克服するための教育資源に関する医学教育責任者の意見を明らかにすることを目的としたアンケート調査を行い, 全80校中64校 (有効回答率80%) から回答を得た. 回答校の半数以上がEBMの教育にあたり障害となっていることが「ある」と認識していた. 障害の内容としては, EBMの教育カリキュラムへの導入を決定する以前の問題として「EBM教育への疑念」があり, さらに導入時の障害として「カリキュラム編成上の問題」, 質・量ともの「教官不足」「教育用ツールの未整備」が挙げられた. それらを克服するためには, 1. EBM教育を推進し, 複数の教育機関やプログラムをコーディネートするための大学の枠をこえた機関の設置, 2. EBM教育に携わる教官育成のためのセミナーの開催, 3. カリキュラムや教材の開発, 4. コンピュータ環境の整備などが必要と考えられた.

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