1997年と1998年の2年生計206名を対象に医動物学実地試験から医動物学実習の効果を検討した. 学生の実地試験と筆記試験との間には正の相関が認められ (r=0.5664, P<0.001), 各設問の識別指数は0.23-0.78であった. 同じ種の出題の比較では一定の傾向はなかった. 1997年に正答率が高かった (90%以上) のは嶢虫卵とアニサキスで, 1998年では嶢虫卵, アニサキス, ハマダラカであった. 実習方法による検討では, 生体を採取・あるいは供覧した場合の正答者はほかの実習に比べて有意に高く (2年ともP<0.0001), この形式の実習の有用性が示唆された. 入試での生物選択者と非選択者の間に有意差はなかった.