2001 年 32 巻 2 号 p. 69-75
テュートリアル教育の効果を学生の学習に対する自己評価によってどこまで把握できるか明らかにするために, 1998年度医療情報学実習受講学生 (医学科2年生) を対象に, 実習日ごとに19項目の質問を記述したテユートリアル評価シートの記入を学生に求め, 項目間の類似性に着目し多次元尺度構成法およびクラスター分析で解析した. その結果, 実習期間を通してテユートリアル評価シートの項目は思索・行動軸と協調軸に分割でき, 項目間の類似性を求めることができた. 実習期間の初期, 中期では与えられた課題に対し学生の意識は分散している様子が数量化できた. さらに実習終了時には学習すべきテーマの重要性を認識していることが数量化でき, 終了時の学習意識に変化が見られた.