医学教育
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外科における卒後初期研修の評価に関する検討
特に評価の相反について
杉浦 芳章吉住 豊尾関 雄一愛甲 聡松山 智一前原 正明田中 勧
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2002 年 33 巻 3 号 p. 157-162

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抄録

防衛医科大学校第2外科では1998年に卒後1年目の研修医合計25人に3か月間循環器, 呼吸器, 上部消化器各1か月ずつの臨床研修を行った. 研修医は5~7人の患者をスタッフの監督の下に受持医と担当した. スタッフ9名, 大学院生3名, チーフレジデント2名が研修期間終了時に, 教育目標である1) より臨床技術的能力, 2) 社会的能力, 3) 判断管理能力に関して, A水準以上, B水準, C水準以下, D落第の評価を観察法に付けた. 2) における責任感と積極性, 3) における過剰な検査かつ投薬への配慮, 迅速な併診依頼, 迅速な検査・手術のアレンジにおいて評価は相反した. また, 成績の悪い研修医の評価も不一致が多くみられた. 14人の評価者のうち4人に関してはいくつかの評価者間の相反がみられた.しかし, 大学院生3名, チーフレジデント2名の評価には偏りが少なかった. 評価者の熟練もさることながら評価者と研修医との人間関係も, 的確な評価をするために必要と考えられた. 評価は卒業生の昇進に影響する可能性があるから重要である.

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