ほぼ130年のわが国近代医学教育の歴史をひもとき, それを4期に分けて潮流を分析して温故知新を試みた. 第二次大戦前の70年よりも第2期に始まる戦後の60年の変化が著しく, 新制大学での一元化医学教育とインターン制度は医学部紛争から, 第3期の医大新設ラッシュによって多様化した・医学・医療の質量ともの変化は医師数不足をきたしただけでなく, 医師の資質と能力の向上が求められ, 新設医大での医学教育改革がそれらの問題解決の推進力となった. 最近10年間の第4期は医学教育の構造改革とカリキュラム刷新がことのほか顕著となって今日に至り, モデル・コア・カリキュラムや共用試験の導入につながり, なおその奔流はとめどもなく逆巻いている.