医学教育
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何が, 看護師において心電図習得を困難にしているのか?
松尾 剛志渡邊 玲子平山 直輝星子 新理早稲田 文子松本 充峰菊池 正雄稲垣 浩子高木 信雄石川 正
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2008 年 39 巻 2 号 p. 79-85

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抄録

モニター心電図の最前線にいる看護師には心電図判読能力が高いことを期待する. しかし, 看護師の心電図習得は容易ではない. これは心電図に対する気持ちや考えの問題が一因と考え検討した
1) 当院在籍の看護師197名, 新規採用看護師43名に第一次アンケート調査を行い, さらに心電図試験を行った看護師37名に対して第二次の詳細なアンケート調査を行った.
2) 心電図の必要性・重要性は十分認識しており, 読めるようになりたいと思っているが, 心電図は嫌いで苦手であるとも思っている. 嫌いという意識より苦手意識が強いのが特徴である.
3) 苦手意識は, 学生時代から先入観という形で作られ始め, 看護師として就職後もその環境により持続されていることが推測された.
4) 理解不良群は多くの苦手意識項目を持っていた. 特に学習前の気持ちの問題 (恐怖感など) が強く, 心電図を避けようとする傾向があった. 苦手意識が心電図習得困難の一因と考えた.
5) 今後は, 看護師の心電図に対する意識状態, 特に苦手意識を十分配慮した教育方法を心掛けることが大切である.

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