1974 年 1974 巻 9 号 p. 1686-1690
ジブロモマロン酸ジェチル[1]および1,3-ジフェニルー2,2-ジブロモプロパンー1,3-ジオン[13]と各種ナトリウムアルコキシドとの反応を検討した。[1]とナトリウムェトキシドとの反応では,ジェトキシマ惇ン酸ジェチル,炭酸ジェチル[2],ブロモホルム[3],ジブロモ酢酸エチル[4],プロモマロン酸ジェチル[5]などが主生成物として生成した。また,[1]と種々の1,2-ジオールのジナトリウムアルコキシドとの反応では,1,2-ジオールの炭酸エステルおよび[2],[3];[4],[5]などが主成物として生成した。さらに,[13]とナトリウムェトキシドの反応では,安息香酸エチル,マンデル酸[15],安息香酸[16]が主生成物として生成し,また,[13]とユ,2-ジオールのジナトリウムアルコキシドとの反応では,ジオールのジーおよびモノベンゾイルエステルおよび[15],[16]が主生成物として生成した。以上の結果から,[1]や[13]とアルコキシドィオンとの反応では,アルコキシドィオンがカルボニル炭素原子を攻撃する反応が主反応であり,臭素原子を置換する反応は副反応であることが明らかになった。
この記事は最新の被引用情報を取得できません。