日本化学会誌(化学と工業化学)
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2,4,6-トリブロモフェニル=アクリラート,ペンタブロモフェニル=アクリラートおよび2,4,6-トリブロモフェニル=メタクリラートのラジカル重合挙動
田島 哲夫大北 雅大津 隆行
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1974 年 1974 巻 4 号 p. 779-783

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抄録

2,4,6-トリブロモフェニル=アクリラート(TBPA),ペンタブロモフェニル=アクリラート(PBPA)および2,4,6-トリブロモフェニル=メタクリラート(TBPMA)のラジカル重合ならびに共重合について研究した。TBPAおよびPBPAはアゾビスイソプチロニトリルを開始剤として60℃で容易に単独重合するが,TBPMAは前二者にくらべて単独重合性は小であった。スチレン(M2)との共重合結果(60℃)から,つぎの共重合パラメーターが求められた。
TBPAおよびPBPA(M1):ft=0.10, r2 =O.20, Q1=1.03, e1=1.18
TBPMA(M2):r1=O.20, r2 = O.15, Q1=1.48, e1 =1.07
また,いろいろの置換ベンゼン溶媒中でTBPMAとスチレンおよびメタクリル酸メチルのラジカル共重合を行なった結果,これらの溶媒により共重合パラメーターは変化した。すなわち1/r1は溶媒のべンゼン環の電子密度が増大するとともに増大したが,1/r2はほとんど変わらなかった。この結果は,TBPMAのトリブロモフェニル環と溶媒のベンゼン環の相互作用より説明された。

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