熱硬化性樹脂
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エポキシ樹脂及び成形材料の諸特性に及ぼす硬化促進剤の影響
尾形 正次金城 徳幸江口 州志浦野 孝志河田 達男
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1990 年 11 巻 2 号 p. 95-104

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抄録
ノボラック硬化型エポキシ樹脂並びにこれをベース樹脂として用いた成形材料の硬化性並びに硬化物 (成形品) の諸物性に及ぼす各種硬化促進剤の影響について検討した。その結果, ノボラック硬化型エポキシ樹脂は硬化促進剤の硬化反応の促進性の違いによって橋かけ密度が著しく異なり, 硬化物のガラス転移温度, 熱膨張係数, ガラス領域の弾性率並びに吸湿特性などに著しい差を生じた。同様な現象は成形材料にも認められ, 各種硬化促進剤がベース樹脂の諸特性に及ぼす影響は充填剤や各種添加剤を配合した成形材料にもかなり反映されている。しかし, 成形材料は硬化促進剤の硬化反応の促進性の違いによって溶融粘度に差を生じ, これが成形品の密度 (緻密性) に大きく影響する。成形品の密度と成形品の高温の電気特性や吸湿特性の間にはかなりの相関が認められ, 成形品の物性にはベース樹脂の橋かけ密度以外に, 硬化促進剤の硬化反応の促進性の違いによって生じる成形材料の溶融粘度や成形品の密度 (緻密性) が影響することが明らかになった。
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