フェノール樹脂は, FRP用として優れたプリプレグ特性を有するため, 特に耐熱性や難燃性を要求される特殊用途に用いられてきた。
しかしながら, FRP用マトリックス樹脂としての代表である不飽和ポリエステル樹脂のように多様な成形法を採用できなかったのが, 最近になって第2世代のフェノール樹脂として, 不飽和ポリエステル樹脂と同様にハンドレイアップ成形法を始め, 各種成形法に使える低粘度で高不揮発分の水溶性レゾールと硬化触媒が開発されて, フェノールFRPのメリットが再確認されてきた。
軽量, 加工性等でプラスチック化の進む車両や建築分野を中心に安全性の高い素材としてヨーロッパを始めわが国でもフェノールFRPが注目されている。
フェノールFRP用の樹脂, 硬化触媒及び成形法, フェノールFRPの特性及び用途についての現状を概説する。