水産増殖
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岩手県沿岸における放流ヒラメ種苗の被食
山下 洋山本 和稔長洞 幸夫五十嵐 和昭石川 豊佐久間 修山田 秀秋中本 宣典
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キーワード: ヒラメ, アイナメ, 被食
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1993 年 41 巻 4 号 p. 497-505

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抄録

岩手県沿岸ではヒラメ種苗の捕食者としてアイナメ, ヒラメ, コモンカスベ, マツカワ, クロソイの5種が確認され, 前2種が主要な捕食者であった。放流ヒラメに対する捕食率は放流後1週間が高く, 2週間後までは捕食が断続的に確認された。放流後28日目にも捕食が確認されており, 種苗に対する捕食が放流後かなり長期にわたって行われていることが推測された。天然におけるアイナメと被食ヒラメの全長比は2.8から7.8, 大型ヒラメとの全長比は3.2から5.1であった。ヒラメ種苗放流場周辺における捕食者のサイズと捕食者: 被食者の全長比から, 捕食を防ぐためのヒラメ種苗の効率的な放流サイズは全長10cm前後と考えられた。また, 今後定量的な被食量推定を行うためのパラメータについて検討を加えた。

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