人間工学
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活気ある日常性の実現に向けたHCI
甲 洋介森 博彦
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1994 年 30 巻 1 号 p. 27-34

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抄録

コンピュータ技術の適用が, 限定された範囲を越えて生活の広範囲に達するとき, 人間と人工物の協同作業の設計に際し, 次の2つの両極の形態 (style) が考えられる.
(1) アミューズメントパーク型 (Amusement Park style): (1) 現実世界を仮想世界にもちこみ, 人間は閉じた仮想世界のなかで作業を行う. (2) 仮想世界での作業は各々完結しており, 前後の作業との時間的な連続性をもたない.
(2) 日本庭園型 (Japanese Garden style): (1) 各々の作業内における, 日常的な現実世界と人工物を中心とする仮想世界との相互調和. (2) 現実世界での作業と仮想世界での作業が共存するなかでの, 作業間の時間的連続性を指向する.
本論文ではこれら2つの視点から, 活性化を目指す人間と現実世界にはないマジカルなパワーをもった人工物のどのような融合が, 生活を拡大し, やがて人工物を文化として定着させていくのか, その方向性について考察する.

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© 一般社団法人 日本人間工学会
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