化学工学論文集
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高速気流による表面付着微粒子の除去における粒子径の影響
後藤 邦彰木田 実増田 弘昭
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1994 年 20 巻 5 号 p. 693-700

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抄録

表面に付着した微粒子の高速気流 (エアージェット) による除去操作に対して, 1~10μmの粒径の数種の単分散粒子を用いて気流の強さを変えて実験を行い, 平滑表面上での除去率に及ぼす粒子径の影響を検討した.また, 凹凸のある各種表面についても実験を行い, 表面の凹凸と付着粒子の相対的な大きさの影響を検討した.除去対象面上の気流の動圧を用いると, ノズルと除去対象面の距離の異なる実験結果を統一的に表すことができる.この結果, 平滑面上の付着粒子を50%除去するのに必要な圧力は粒子径のほぼ2乗に反比例することがわかった.
材質による50%除去圧力の変化は, van der Waals力の比を基にして, 物性値 (Hamaker定数および弾性特性係数) の比と, 粒径と表面曲率半径の比で定義される相対粗さの関数として近似的に推算できることがわかった.また, 粒子の分離力は気流動圧の2乗, および, 粒径の6乗に正比例するという関係式が得られた.

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