1996 年 65 巻 1 号 p. 21-26
イチジクの交雑育種における種子親の違いが単為結果性をもつ後代の出現頻度に及ぼす影響を明らかにするため,フィッグ数品種を種子親とし,単為結果性が不完全なカプリフィッグの'カプリフィッグ6085'を花粉親として交配し,後代をカプリフィッグ型(雄株)とフィッグ型(雌株)に区分しそれぞれの夏果と秋果の単為結果性を調査した.
1.カプリフィッグ型で夏果が単為結果する個体の出現頻度は,サンペドロ系や夏果の単為結果性の強い普通系品種が種子親の後代で高かった.
2.フィッグ型で秋果が単為結果する個体の出現頻度は,普通系品種が種子親の後代で高かった.
3.単為結果性のないスミルナ系品種が種子親の後代では,単為結果する個体の出現頻度は極めて低かった.