1997 年 59 巻 1 号 p. 11-20
モノコック型フレームに静的弾塑性解析を適用し, 構成材料の塑性域での変形状況や応力分布から強度特性に係わる検討を行った。市販トラクタをモデル化したAモデルと比較し, その側壁肉厚を増したBモデルでは, 塑性ひずみで約14%, 最大たわみで約72%, 発生応力で約47%減少し, 側壁肉厚がモデルに及ぼす定量的傾向を指摘できた。一方Aモデルの差動装置内部に隔壁を追加したCモデルでは, 塑性ひずみで約33%, 最大たわみで約88%, 発生応力で約54%減少し, 強度特性を検討する際に隔壁は有効な設計変数であると判明した。さらに1周期の載荷パターンを設定し, 隔壁内の2節点の von Mises 相当応力と相当塑性ひずみの定量的傾向を把握できた。