1998 年 24 巻 2 号 p. 243-247
ゼオライト/水系吸着・脱着の冷暖兼用の蓄熱システムへの適用を検討するため, ゼオライト/水系の低相対水蒸気圧条件下の吸着平衡を測定し, その結果に基づく吸・脱着サイクルの移動水蒸気量を検討した.また, 20wt-%塩化ナトリウム水溶液とゼオライト13Xを組み込んだ蓄熱装置を使用して, 本蓄・放熱サイクルの稼働特性について検討した.その結果0.1以下の低相対水蒸気圧の条件下において, 0.1kg・kg-1以上の水蒸気を可逆操作可能なサイクルが構成できること, および氷点以下の蒸発器温度での吸着の進行が確認された.塩化ナトリウムを凝固点降下剤として利用するゼオライト/水系吸着・脱着サイクルは, 暖房あるいは冷凍温度域の熱を供する蓄熱システムに適用できることが示唆された.