1998 年 53 巻 9 号 p. 656-662
太陽観測衛星「ようこう」によって, 太陽フレアがプラズマ閉じ込め実験におけるエネルギー解放過程と同様に, 磁気再結合(磁気リコネクション)を通して発生することが観測的に初めてつきとめられた. 一方, 電磁流体力学的最小エネルギー原理に基づいた解の分岐理論によって, 太陽フレアの発生機構を実験室プラズマと共通する枠組の中で理解することができるようになった. 太陽フレアは, 局所的なエネルギー散逸を通して引き起こされる高温プラズマ中のエネルギー遷移過程である. 天文学的興味のみならず, 高温プラズマの一般的性質を知る手掛かりとして太陽フレアは再認識されつつある.