環境大気中のダイオキシン類の挙動について検討した。高分解能GC/MSを導入した1996年の調査では, TEQ濃度の同族体構成においては, PCDDs及びPCDFsとも五, 六塩化物の構成比率が高かった。またPCDDs及びPCDFsとも, 採取日の平均風速が1.5~2.0m/sの時に比較的高濃度が検出された。そして都市域においては, 採取日の主風向とPCDDs及びPCDFsの検出濃度の関係において, 都市ごみ焼却場の影響が示唆される地点があった。PCDDsとPCDFs, PCDDs及びPCDFsと浮遊粉じん濃度の関係において, それぞれ良好な相関が見られた。